■ 神戸市の山口組総本部を家宅捜索

東京・西麻布で今月5日、指定暴力団住吉会系幹部が射殺された事件で、警視庁組織犯罪対策4課は26日、殺人と銃刀法違反容疑で山口組総本部(神戸市灘区)を家宅捜索した。この事件での捜索は山口組国粋会本部(東京都台東区)などに続いて2回目。
 同課は、事件には山口組系組織が何らかの関与をしたとみている。国粋会への捜索時と同様、被疑者は「不詳」としており、上部組織への捜索を通じて実行役の割り出しを進める。
 警視庁による総本部の捜索は03年10月、2次団体の旧五菱会によるヤミ金融事件以来。午前10時前、盾を手にした機動隊員約100人が総本部の門の周辺を囲んだ。続いて捜査員が呼び鈴を押し、数分後に出てきた組関係者に令状を示すと、待機していた捜査員約130人が総本部に入った。近所の住民が遠巻きに見つめるなど、閑静な住宅街は物々しい雰囲気に包まれた。
 射殺事件は5日午前、港区西麻布の路上で住吉会系の杉浦良一幹部(43)が2人組に拳銃で撃たれて殺害された。その後、山口組系組織などの入居するマンションに報復とみられる発砲が続発。一連の事件は山口組と住吉会の8日の話し合いで和解したとされるが、警視庁は、山口組側が傘下組織による事件への関与を認めたとの情報を得ているという。
 同課はこれまでに、山口組系への報復とみられる発砲で住吉会系幹部2人を逮捕。同会系組織を銃刀法違反容疑で捜索した。また幹部射殺に絡んで21日に国粋会本部などを殺人・銃刀法違反容疑で捜索。国粋会会長はその6日前に自殺している。
 警察庁によると、山口組は構成員2万600人(06年末)で、全暴力団構成員の5割を占める。

18歳刺殺:暴走族の抗争か 東京・大田

 東京都大田区の路上で17日未明、男性が刺されて死亡した事件で、死亡したのは同区大森西、無職、若松康則さん(18)であることが、警視庁少年事件課の調べで分かった。また、他にも同区の少年(16)が腕などを刺されて10日間のけがをしていることも判明。蒲田署捜査本部は、暴走族同士の抗争事件とみて捜査している。
 調べでは、若松さんは同日午前2時35分ごろ、同区蒲田5の路上で、同年代の男3〜4人に刃物で胸や腹など5カ所前後を刺され死亡。16歳の少年も近くで腕などを刺されたとみられ、10日間のけが。男らはスエット姿などで、紺色っぽいワゴン車に乗って逃走した。若松さんと少年は同区内を中心に15人前後で活動する暴走族のメンバーだった。
 事件があったのは、JR蒲田駅東口から約30メートル離れた路上。大田区役所や繁華街の近くで、若松さんはコンビニエンスストアに駆け込み、助けを求めた。現場には、事件を知った友人ら十数人が次々と訪れ、花やたばこを供えた。

■松山千春さん、暴力団会合出席 京都で3曲歌う
京都市に本拠のある指定暴力団会津小鉄会の会合に、歌手の松山千春さん(51)が出席していたことが16日、京都府警の調べでわかった。
 府警によると、松山さんは12日夜に会津小鉄会事務所で開かれた図越利次会長の5代目就任10周年を祝う会合に出席。幹部組員ら約120人の前で、午後7時から約20分間、計3曲を歌ったという。
 府警は「影響力のある芸能人が反社会的集団である暴力団の会合に参加したのは問題」としている。松山さんの所属事務所は「本人がいないのでコメントできない」という
■暴力団:国粋会会長が自宅で自殺 先週発砲事件で和解■
 15日午前9時20分ごろ、東京都台東区の指定暴力団山口組国粋会の工藤和義会長(70)の自宅で、工藤会長が頭から血を流して死んでいるのを通報で駆けつけた警察官が確認した。近くに拳銃1丁が落ちており、警視庁は現場の状況などから拳銃で自殺したとみて詳しい経緯を調べている。
 調べでは、工藤会長は2階居間のソファーで倒れていた。国粋会関係者から「会長が死んでいる」と浅草署に通報があった。
 今月5日、港区で住吉会系幹部が射殺されたことを発端とし、住吉会側から山口組側への報復とみられる発砲事件が3件発生。国粋会系の事務所が入居するマンションにも銃弾が撃ち込まれた。連続発砲は8日に山口組と住吉会が争いを続けないことで和解した後、終息している。
 一連の事件は国粋会と住吉会側の縄張りを巡るトラブルが背景にあったとされ、関係者によると和解後も工藤会長の処遇を巡る駆け引きが水面下でくすぶっていたという。工藤会長の自殺が一連の発砲の再燃にただちにつながる可能性は少ないとみられるが、後継や利権を巡り山口組系組織や国粋会内部で新たな争いが浮上する可能性は否定できず、警視庁は警戒を強めている。
 国粋会は台東区に本部を置き準構成員を含め約1060人。工藤会長は91年に会長就任。05年、山口組傘下に入るとともに、山口組最高顧問に就いていた。
暴力団発砲 住吉会系組幹部逮捕
指定暴力団住吉会小林会系の杉浦良一幹部(43)が5日、東京・西麻布で射殺され、報復とみられる発砲が相次いでいる事件で、警視庁組織犯罪対策4課は6日、渋谷区で起きた発砲事件について、住吉会小林会系の組幹部2人を銃刀法違反(加重所持、発射)と器物損壊両容疑で逮捕した。幹部は「山口組国粋会を狙った」と供述。同庁は、大規模な抗争に発展する可能性があるとみて関係先の警戒態勢を強化した。
調べでは、6日午前6時15分ごろ、渋谷区道玄坂1のマンション5階の一室の玄関ドアに、自動式拳銃で銃弾3発を撃ち込んだ疑い。両容疑者は現場から乗用車で逃走し、大田区で緊急配備中の警察官に発見された。拳銃は見つかっていない。

山口組最高幹部射殺で、実行犯らを死亡のまま書類送検へ
平成9年に起きた指定暴力団山口組の宅見勝最高幹部=当時(61)=射殺事件で、兵庫県警生田署捜査本部は25日、殺人と銃刀法違反の疑いで、今年6月に神戸市内で遺体で見つかった元指定暴力団中野会系組員、鳥屋原精輝容疑者=当時(56)=と、10年に韓国で変死した元中野会幹部、吉野和利容疑者=当時(45)=の2人を、容疑者死亡のまま書類送検した。
鳥屋原容疑者は実行犯4人の1人、吉野容疑者は犯行の指揮役だったと捜査本部はみている。ほかの実行犯3人は既に懲役20年の実刑判決が確定している。
同事件で残る逃亡者は、銃撃の見届け役とされる元中野会系組員、財津晴敏容疑者(49)だけになっている。

宅見組長射殺の男、遺体で発見=神戸港の倉庫、ケースの中−兵庫県警
 30日午前11時ごろ、神戸市東灘区向洋町東の六甲アイランドにある倉庫の中で、プラスチックケースに入った男性の遺体が見つかった。兵庫県警暴力団対策課などは指紋などから、1997年8月、同市内のホテルで指定暴力団山口組若頭の宅見勝組長=当時(61)=らが射殺された事件で殺人容疑などで指名手配されている鳥屋原精輝容疑者(56)と確認した。さらに解剖して詳しい死因を調べる。

延暦寺執行、辞任へ 暴力団法要問題で引責
 天台宗総本山・延暦寺(滋賀県大津市)で指定暴力団山口組の歴代組長の法要が営まれていた問題で、同寺の代表役員を務める今出川行雲執行(しぎょう)(68)が18日までに、引責辞任する意向を固めた。同日午後6時から比叡山の塔頭住職らが集まる緊急会議を開き、辞任の了承を求める。
 滋賀県警や延暦寺によると、4月21日、山口組の初代から4代目の組長を供養する法要が阿弥陀(あみだ)堂で営まれ、幹部組員約90人が参列した。県警が前日に中止を要請したが、同寺は「宗教行事なので断れない」と予定通り行った。県警は、香典名目で数千万円が上納されたとみており、同寺に再発防止を指導していた。
 今出川執行は昨年12月20日に3年の任期で執行に就任した。


 山口組、延暦寺で組長法要=全国から幹部90人出席−県警の中止要請応じず・滋賀


 天台宗総本山の延暦寺(大津市)で4月下旬、指定暴力団山口組が歴代組長の法要を行っていたことが16日、分かった。滋賀県警は事前に中止を要請していたが、寺側は宗教上の理由などから応じなかった。
 県警や延暦寺によると、法要は4月21日に行われ、銃刀法違反罪で服役中の篠田建市(通称司忍)6代目組長は出席しなかったが、全国の直系組長ら幹部約90人が集まった。
 

後藤組組長の拘置停止、持病で入院
 東京都渋谷区の「真珠宮(しんじゅく)ビル」を巡る虚偽登記事件で、電磁的公正証書原本不実記録などの容疑で逮捕された指定暴力団山口組後藤組組長・後藤忠正容疑者(63)について、東京地裁が、病気を理由に拘置の執行停止を決定していたことが25日、わかった。
 執行停止は、弁護人からの申し立てに基づくもので、決定は24日付。執行停止の期限は今月30日で、後藤容疑者は、すでに拘置されていた東京・霞が関の警視庁本部を出て、都内の病院に入院した。関係者によると、後藤容疑者は内臓に持病があり、同地裁は、入院治療が必要と判断したとみられる。
 後藤容疑者は今月8日、真珠宮ビルの所有権が移転した事実がないのに不正に移転登記をしたとして、東証2部上場の不動産会社「菱和ライフクリエイト」前社長・西岡進容疑者(52)らとともに逮捕されていた。

<覚せい剤密輸>禹容疑者が暴力団の依頼受け北朝鮮に手配?
 北朝鮮から覚せい剤を密輸したとして覚せい剤取締法違反(営利目的輸入)容疑で12日に逮捕された韓国籍の禹時允(ウシユン)容疑者(59)=長野県伊那市伊那部=が、暴力団の依頼を受け覚せい剤を北朝鮮に手配していた疑いのあることが警視庁組織犯罪対策5課の調べで分かった。警視庁は、禹容疑者が暴力団による覚せい剤密売の北朝鮮ルートの仲介役とみて追及している。
 ほかに逮捕されたのは、東京都板橋区中丸町、指定暴力団極東会系組長、宮田克彦容疑者(58)と鳥取県米子市皆生5、遊漁船業、権田修(54)の両容疑者。
 調べでは、禹容疑者らは共謀し、北朝鮮の清津(チョンジン)港で貨物船「TURUBONG―1」(約300トン)に覚せい剤数百キロを積み込ませた。同船が02年10月9日、島根県沖で海に落とした覚せい剤を釣り船で回収して同県の安来港で陸揚げした疑い。3人は容疑を否認している。
 宮田容疑者の依頼を受けた禹容疑者が北朝鮮側に手配。権田容疑者は釣り船の船長で回収を手伝った。覚せい剤は宮田容疑者が売りさばいたという。

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